@haemorikikakuさんのツイート
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期待値調整は誰のため?

期待値調整という言葉がある。

 

下記のような言葉で、お客さまの期待が上がりすぎるのを防ぐものである。

 

「こちらは今回のプランには含まれてはいないのですが・・」

「この仕様は恐らく難しいかと思いますので、まずはスモールスタートでいきましょう」

「頑張ってはみますが、一旦着地こちらで考えておいていて下さい」

 

要は事前FIXである。

 

商売に限らず、世の中すべからく、

 

・着地を予測する

・必ず先手でトレードオフを相手に打つ

・事前にFIXする

 

この3つさえ押さえていれば、致命傷を受けることはほぼ無く、

期待値調整はしばしば、企業においてクレームやその他大ヤケドに対するリスクヘッジで用いられる。

 

 

ここで一つのイシューを考えてみたい。

「期待値調整とは、真に誰、何のためにあるのか?」

ということである。

 

実際に例で想像してみよう。

TOBE思考で良き提案を詰め込み、期待値が120になったお客さまに対し、

着地100のクオリティの納品を行ったとする。

この場合、顧客満足度は80%強となる。

 

 

これに対し、あの手この手で期待値を下げて、期待値が80になったお客さまに対し、

隠し持っていた提案・プランなども使い、90のクオリティで納品を行ったとする。

この場合、顧客満足度は110%強となる。

 

 

さて、ここで考えてみてほしい。

「果たして、どちらが顧客のためになるだろうか??」

 

 

一見、

「満足度はともかく、より高いクオリティを実際に受け取った前者こそ、お客さまを幸せにしている」

と思ってしまいがちである。

 

短期的にはそれで正解である。僕も20代においてはそう思っていた。

 

しかし、中長期では、答えはNOである。

何故ならば、人間の本質がそのように設計されていないからである。

如何なる人間の本質かというと、

 

「隣の芝は青く見える」

 

ということである。

 

100のクオリティを受け取っても、100%の満足度を得られないならば、お客さまはいずれ他社を検討し始めてしまうだろう。

また、当たり前の話だが、他社は営業時には、まず受注しないとお話にならないため、

既存の会社のクオリティや満足度を上回る水準ベースで、提案を行ってしまうものである。

 

結果、他社に乗り換えたお客さまがより不幸になる、というのはよくある話である。

 

一度転んで頂き、その上でより強固な関係を築くというテクニックも存在するが、それでは時間もかかるし、お客さまの損失も大きい。一回きりのチャンスのプロジェクトもある。

 

これらを回避するために必要なスキルが期待値調整なのである。

常に100%以上の満足度を「創り出す」ことで、隣の芝を青く見せない。

継続的な関係性をつくるものである。

 

つまり、期待値調整とは、

「お客さまを中長期で幸せにするための選択肢とは、何をおいても、自分と永く付き合って頂くことである」という決意と覚悟、自信の現れであり、

期待値調整のスキルを磨かない、使用しないことは、お客さまの未来への責任を放棄していることに他ならないのである。

 

 

期待値調整とは、自分たちの守りのためではなく、

何よりも、お客さまの幸せのために存在するスキルなのである。

 

 

また、この期待値調整は、全てのステークホルダーに使用が可能である。

一つの関係性において余った「期待値ポイント」を他の関係性に再配分ができる。

つまり、期待値調整ひとつで「三方良し」が実現できるのである。

 

 

物事全て「三方良し」でないと、中長期での完全な成功を見ないことを考えると、

この期待値調整は、プロジェクトリーダー・ドライバーに必須のスキルといえる。