剛能く柔を断て。-牛若丸か弁慶か-

こんにちは、最近冷たい飲物が体に負担に感じるようになって、もっぱら常温派の南風盛です。
待ちに待ったワールドカップが始まりました!!
当然代表のサッカーなので、
例えば中盤の3枚とトップがすべて同じクラブから選出されているとかそういったこと除けば機能しているサッカーがお目にかかれることはなかなかなく、そういった観点から楽しむことはできないですが、サッカーファンとして、シーズンオフにこういったお祭りが開催されることはありがたい限りです。
サッカーを見ている時、よく思うのが、ゴールの設定です。
サッカーの戦術は千差万別ですが、大体、ポゼッションサッカーとカウンターサッカーの2つにカテゴライズされます。
前者はボールを支配して攻撃的に攻めるスタイル、後者は守って守ってスキを突いて堅守速攻やセットプレーから点をもぎ取るスタイルです。
まあやっぱり見てて楽しいから、という理由もあるのですが、前者の攻撃的なスタイルは正義、後者の守備的なスタイルは悪、まではいかなくとも批判にさらされることが多いです。
さてさて、日本代表も前者のスタイルを標榜したがっているわけですが、このスタイルのリスクはどこにあるでしょうか?
①攻撃に人数をかけるため、カウンターに弱い
僕も完全に兄の影響で、WOWOWとスカパーでサッカーを見始めて15年弱になりますが、守備的なサッカーがあっけなく攻撃的なサッカーを血祭りにあげる様を何度も見てきました。
②プロセスが目的にいつの間にかすり替わる
攻撃的なサッカーは機能すると美しいです。
美しいがゆえに、「美しさに酔って」しまうんです。
だから試合に負けた場合、
「僕達の方がボールを支配し、良いサッカーをしていた」
というような言い訳が往々にして飛び出します。びっくりですよね。
良いサッカーをするのはあくまで勝つためのプロセス・手段であり、勝つためのプロセスにならないのなら、ロングボールをひたすら放り込み、こぼれ球を押し込む幸運に賭けた方がよっぽどマシです。
③自らを正義と自覚してしまうこと
これもかなり危険です。彼らは世の中が攻撃的な美しいサッカーに魅了されることを知っています。
それを織り込み済みで考えや行動を組み立ててしまうと・・
傲慢さの元になったり、言い訳の武器を自分で作ってしまうことになります。
「試合に負けて、勝負に勝つ」
って、これはまあ言い訳なわけです。
日本代表、残念ながら1戦目負けてしまいましたが、②のケースを考えてしまいます。
「自分たちのサッカーをピッチで表現する」
という言葉がありましたが、
「自分たちの目指すサッカーをやりたいのか」
「勝ちたいのか」
の二択ということになり、この二択が=になるチームはほぼ稀です。
全盛期のバルセロナとか、、くらいかも。
日本代表の攻撃的スタイルがこの二択を=にできるかどうかはまだ本人達も証明できていないわけですから、二択は二択のままです。その上で上記のようなコメントがあったわけですから、「ゴールは勝つこと」にある、とは言えなくなります。
前回大会の岡田監督のスタイルはそういう意味ではストイックでゴールが明確でした。「少しでも戦績を残すこと。」
岡田監督はとても賢いかと思います。
自分たちの良さを活かすこと、良いところを伸ばす。
これは割りと好まれる言葉ですが、こと勝負で言えば
相手を良さを潰すこと、消すこと
が不可欠です。
ともかく、日本代表、頑張って勝ち抜けて欲しいですね!
さて、上記②、③の事柄はビジネスにおいても大事なことですね。
②は、HOW思考か、WHO思考か、の大きな分かれ目です。
経営者のゴールは「クライアントに価値を提供してギブアンドテイクを成立させてビジネスをする」ことです。
従業員も同じゴールを持っている状態にしないとキツく、
「僕はしっかりやっときました」
「それ、私ですか?」
などのコメントがでてきたらもうほぼ悲劇です。
経営者はそんなことには1ミリも興味がないので。
ビビってしまい、「自分のせいでないこと」がゴールになってしまう人間はゼロにしなければなりません。
③は、正義を盾にすることによって傲慢になったり言い訳になったりのリスクがやはりあります。
弊社は正義は我にあり!と思って仕事ができる環境であり、弊社もよくクライアント様に褒めて頂きますが、それを自覚した瞬間からリスクです。傲慢になるリスク。
常に謙虚なキモチでサービスを見なおしていたいものです。
よく人に話すのですが牛若丸と弁慶、ってありますよね。
牛若丸=細い・美しい・儚い・優雅
弁慶=ムキムキマッチョ・屈強・剛健・
キーワードとしてはこんな感じでしょうか??
はい!皆さんどっちが好きですか?
日本人は牛若丸の方が好きなイメージがあります(僕の主観です)
ちなみに僕は断然弁慶派!!!
(従業員の皆さん、嘘つけ!とか言わないで)
僕の周りでは柔よく剛を制す、って言葉が好きな人は多いですし、サッカーで言うとどうしても今でも10番、司令塔、トップ下、という言葉にビクンときてしまうし、そんな理由でロベルト・バッジョが大好きな人も多いです。
薄幸のファンタジスタ・悲劇のヒロイン
みんなこういうのに一度はなりたいわけです。
大事なことは、剛へのコンプレックスが柔や美しさの標榜、にいつしかすり替わらないことだと感じます。
いつ何時でも、剛に対してのアプローチは依然として必要でそれがないとバランスを崩します。
剛能く柔を断て!!!!!!
というわけで頑張れ日本代表!!(←無理やり締めます)